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- iFreeレバレッジNASDAQ100は、積立投資に向いている?
- iFreeレバレッジNASDAQ100の良いところ、悪いところは?
こういった疑問にお答えします。
目次
本記事の内容
- iFreeレバレッジNASDAQ100とは?
- iFreeレバレッジNASDAQ100に長期積立投資をするのはあり?なし?
- iFreeレバレッジNASDAQ100の仮想シミュレーション
- NASDAQ100は、時代に沿った構成銘柄に入れ替わる
- レバレッジ商品こそドルコスト平均法が活きる
- レバレッジ投資信託は逓減リスクがある
- iFreeレバレッジNASDAQ100は信託報酬が高め
- 【まとめ】iFreeレバレッジNASDAQ100は積立投資におすすめだが、高額購入はおすすめできない
本記事の信頼性
このブログを書いている僕は、投資歴4年の大学院生です。
僕はこれまでに、株式投資、投資信託、FXとさまざまな投資に挑戦してきました。
現在は、資産の8割以上を投資信託(レバナス等)で運用しています。
この経験から、今回は私が保有している投資信託の一つであるIFreeレバレッジナスダック100について記事を執筆しました。
iFreeレバレッジNASDAQ100とは?
本題に入る前に、iFreeレバレッジNASDAQ100についてざっと解説していきます。
iFreeレバレッジNASDAQ100、通称『レバナス』は、大和アセットマネジメントが出している銘柄で、ナスダック100の2倍の指数を目指す投資信託になります。
ナスダック100とは、米国のナスダック総合指数が3000以上ある全ナスダック上場銘柄から算出されるのに対して、ナスダック100指数は、ナスダックに上場する金融以外の時価総額上位100銘柄のみから算出される指数である。
※参考:wikipedia
つまり、ナスダック100は、全米企業の上澄であるナスダックからさらに上澄みのIT企業やヘルスケア企業を表す指数になります。
それでは、過去のナスダック100指数の値動きを見ておきましょう。
1990年代にITバブルの崩壊が起こり、爆発的な値動きの上昇と下落を示していますが、それ以降は比較的上昇し続けていることがわかります。
次にナスダック100とS&P500を比較したグラフが下記の通り。
ナスダック100は、ほとんどがIT企業で構成されているため、ITバブルの崩壊でS&P500の数倍の影響を受けました。
しかし、ナスダック100のすごいところは、ITバブル後の圧倒的な回復力にあり、リーマンショックやコロナショック後も数年足らずで適正水準にまで回復しています。
この最強指数であるナスダック100指数に対して、2倍のレバレッジをかけて投資をすることができる投資信託がiFreeレバレッジNASDAQ100です。
レバレッジとは、経済活動において、他人資本を使うことで自己資本に対する利益率を高めること、または、その高まる倍率。
iFreeレバレッジNASDAQ100に長期積立投資をするのはあり?なし?
本題に移りますが、ナスダック100にレバレッジをかけたiFreeレバレッジNASDAQ100に長期投資をすることはアリなのでしょうか。
結論から言うと、非常にアリ(おすすめ)です。
投資に必ず正解というものはありませんが、NASDAQ100が崩壊することは現状考えられませんね。
iFreeレバレッジNASDAQ100が長期投資におすすめな理由としては、下記の通り。
- 過去の実績による仮想シミュレーションの成績がとてつもない
- 投資額が少なくても高リターンを得られる可能性が高い
- NASDAQ100は今後も成長し続ける予想
- 企業の業績によって銘柄が入れ替わる
- 価格変動が大きいため、短期より長期投資に向いている
ただ、iFreeレバレッジNASDAQ100が気をつけなければいけないリスクもあります。
- 逓減リスク
- 信託報酬が高め
上記の通り。
iFreeレバレッジNASDAQ100の仮想シミュレーション
iFreeレバレッジNASDAQ100は、2018年の10月から運用を開始したため、過去の実績があまりありません。
しかし、当銘柄の仮想シミュレーション結果が大和アセットメントから紹介されています。
そのシミュレーションをざっと見ていきましょう。
上記の通り。
NASDAQ100に2倍のレバレッジをかけると過去10年間で通常のNASDAQ100の3.4倍の運用結果を示していることがわかります。
あくまで、過去の実績からのシミュレーションですがNASDAQ100指数を大きく上回っていることがわかります。
ただ、ここで注意すべきことが3つあります
- ITバブル崩壊時期を除いたグラフになっていること
- 下降時期も通常のNASDAQの3倍ほどの値動きになっていること
- この先も同じような運用結果が得られるとは限らない
上記の通り。
一つずつ解説していきます。
ITバブル崩壊時期を除いたグラフになっていること
先程のグラフにあった時期は、2010〜2020年と直近の10年間だけのNASDAQ100指数とiFreeレバレッジNASDAQ100を比較したグラフになっています。
ITバブルが崩壊した時期が2000年代初期になりますので、バッサリとその時期はカットされていることがわかります。
レバレッジ投資信託というものは、上昇比率だけにレバレッジがかかるのではなく、下降比率にもレバレッジがかかります。
そのため、ITバブルが弾ける直前で当銘柄を買った場合、2倍のレバレッジがかかって、暴落するということになります。
確かに、レバレッジ商品は上昇傾向には非常に強いですが、暴落のリスクもそれだけ大きいということを理解しておくことが大切です。
この先も同じような運用結果が得られるとは限らない
NASDAQ100に限らず、近年の米国は、記録的な成長を遂げており、世界経済は、米国一強時代が続いています。
こういった時代背景から、過去の運用成績で比較すると米国株が成長しているということは当たり前のことなんです。
そのため、過去10年のNASDAQ100の成長スピードは半端ないが、今後何十年と同様に成長を続けているという保証はありません。
ですから、過去の運用実績だけで判断して投資対象を決めることはおすすめできません。
- もし、あなたが今後も米国が成長し続けると感じるのであれば、米国株は買い
- もし、あなたが米国の成長は、下落傾向に進むと考えるのであれば、米国株は買わない
上記のように投資先を決めることをおすすめします。
ただ、今現状では、米国企業が世界経済を引っ張っているので米国株が下落すれば、世界経済も下落すると思われます。
NASDAQ100は、時代に沿った構成銘柄に入れ替わる
先程ナスダック100の構成銘柄は、米国の金融以外の時価総額上位100銘柄で構成されるとお伝えしました。
では、ナスダック市場の上位100社が時代の流れによって入れ替わった場合、どうなるのでしょうか。
結論としては、ナスダック100指数の構成銘柄は毎年入れ替わるので、時代の流れに沿った優良企業だけで構成されることになります。
ナスダック100指数の構成銘柄の入れ替えは、毎年12月に行われます。入れ替えの基準は以下の通りです。なお、算定のための時価総額には10月末または11月末時点の値が用いられます。
- 既存の構成銘柄の場合、時価総額の上位100位以内であれば残留となる。
- 既存の構成銘柄で、時価総額の上位101位から125位までに入っている場合、前年の時価総額が上位100位以内であれば残留となる。前年も100位以内でなかった場合、指数から外される。
- 既存の構成銘柄で、時価総額が上位125位以内でない銘柄は、前年の順位に関わらず指数から外される。
- 代わりに指数に組み込まれる銘柄には、構成銘柄以外の銘柄の内、最も時価総額の大きい銘柄が順に選ばれる。
また定期的な入れ替え以外でも、組み入れ基準から外れた構成銘柄が出れば、その都度入れ替えが行われる。
※参考:ナスダック100指数
とてもシンプルなルールです。10月または11月の時価総額を基準として、順位をつけることで入れ替えがされます。入れ替え基準を図で表現したものが下記になります。
このように、最新の優良企業を詰め合わせたものがナスダック100になります。
レバレッジ商品こそドルコスト平均法が活きる
ドルコスト平均法とは、価格が変動する金融商品を常に一定の金額で、かつ時間を分散して定期的に買い続ける手法です
時間分散をすることによって、極限までリスクを減らして、資産運用をすることができます。
ドルコスト平均法のメリットを表したグラフが下記の通り。
ドルコスト平均法
価格の変動が小さい銘柄の場合、買う口数に変化はあまりない
価格の変動が大きい場合、価格が安い時に多く買える。価格が高いときは買う数を抑えられる。
上記の通り。
つまり、積立長期投資は価格の変動が大きいレバレッジ商品(iFreeレバレッジNASDAQ100)こそドルコスト平均法が活きます。
レバレッジ投資信託は逓減リスクがある
レバレッジ投資信託で気をつけないといけないこととして、逓減があげられます。
逓減リスクをわかりやすく表したものが下記のグラフです。
このように、相場の方向感が定まらず、原指標が上昇や下落を相互に繰り返した場合、レバレッジ型指標は複利効果によって、原指標と比較してパフォーマンスが逓減して行くという特性がありますので注意が必要です。
つまり、レバレッジ投資信託には、下記のような特徴があります。
- 上昇傾向:強い
- 停滞:弱い
- 下降傾向:弱い
このため、iFreeレバレッジNASDAQ100などのレバレッジ商品は上昇傾向の場合は、非常に良いパフォーマンスを期待できるが下降時期や停滞時期のパフォーマンスは低くなる可能性が高いです。
つまり、レバレッジ2倍といっても実際の投資額が2倍になるわけでは無いということです。
この逓減によって、資産価値が低くなっていったときに、我慢して保有し続けることができるかどうかが、将来の結果に大きな違いが生まれてきます。
iFreeレバレッジNASDAQ100は信託報酬が高め
信託報酬とは、投資信託を管理・運用してもらうための経費として、投資信託を保有している間はずっと投資家が支払い続ける費用のこと
emaxis slim S&P500と比較
iFreeレバレッジNASDAQ100と積立NISAで人気のemaxis slim S&P500の信託報酬の違いについて見ていきましょう。
iFreeレバレッジナスダック100 | emaxis slim S&P500 | |
購入手数料(ネット証券使用時) | 無料 | 無料 |
信託報酬 | 0.99% | 0.0968% |
信託期間 | 無期限 | 無期限 |
上記の通り。
購入手数料は、ネット証券を使うとどちらも無料ですが、信託報酬は10倍以上の開きがあります。
そのため、長期積立をするとそれだけ維持コストもかかるということになります。
他のレバレッジ商品と比較
iFreeレバレッジナスダック100 | USA360 | グローバル3倍3分法 | 楽天日本株4.3倍ブル | |
購入手数料(ネット証券使用時) | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 |
信託報酬 | 0.99% | 0.4675% | 0.484% | 1.243% |
信託期間 | 無期限 | 無期限 | 無期限 | 有期限 |
上記の通り。
他のレバレッジ商品と比較すると、そこまで高いというわけでは無いことがわかります。
また、楽天日本株4.3倍ブルが有期限なのに対して、iFreeレバレッジナスダック100は無期限で投資することができます。
【まとめ】iFreeレバレッジNASDAQ100は積立投資におすすめだが、高額購入はおすすめできない
iFree レバレッジ NASDAQ100は、非常に魅力的な銘柄であることは間違いありません。
しかし、それだけにリスクも大きいとおいうことは抑えておく必要があります。
そのため、ポートフォリオの分散投資の1スパイスとして、当銘柄を積立運用するということがおすすめです。
今回は以上です。